日本の俳優は演技が下手?大根酷評でも主演に起用される業界の闇

日本の俳優は演技が下手?大根酷評でも主演に起用される業界の闇

日本の俳優は演技が下手?大根酷評でも主演に起用される業界の闇とはどんな影響があるのか? 主要なファクトを簡潔に解説します。

視聴者の誰もが首を傾げる最大の謎が、「ネット上でこれほど演技下手と叩かれ、数字(視聴率)も伴っていないのになぜ主演に起用され続けるのか」という疑問です。この棒読み俳優がなぜ起用されるのかという問いの答えは、日本の映像ビジネスを支配する「製作委員会方式」と「広告主(スポンサー)依存体質」にあります。

映画やテレビドラマを制作する際、単一の企業ではなく、テレビ局、大手広告代理店、映画配給会社、レコード会社、芸能事務所などが共同出資して「製作委員会」を立ち上げるのが通例です。この仕組みにおいて最優先されるのは、芸術的な完成度や主演の演技力ではなく、出資リスクの確実な回収です。作品が爆死したとしても、最初から大手飲料メーカーやコスメブランドのCM契約を持つタレントを主演に据えておけば、関連企業からのタイアップ広告費やスポンサー料によって制作費の大部分が事前にペイできます。つまり、「演技が下手でも、スポンサーを引き連れてこられるタレント」こそが、プロデューサーにとって最もリスクの低い安全牌となるわけです。

これに拍車をかけるのが、旧態依然とした芸能事務所のゴリ押し起用の真相です。大手芸能プロダクションは、誰もが欲しがる「数字の持てる看板俳優」を貸し出す条件として、事務所が売り出し中の若手タレントや実績の乏しいアイドルを重要な役柄に抱き合わせで押し込む「バーター出演」を要求します。制作側も看板俳優を逃すわけにはいかないため、どれほど演技力不足が明白であってもその条件を呑まざるを得ません。実力主義のオープンなオーディションで配役が決まるのではなく、水面下の政治的パワーバランスによってキャスティング枠が売買される構造が、映画やドラマの主演における演技力不足を恒常化させています。

斉藤 蓮
著者

斉藤 蓮

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。