「作品数が多すぎてどこから読めばいいかわからない」という初心者には、新潮文庫をはじめとする定番の傑作短編集が最適です。
最初の一冊として広く親しまれているのが『おさん』『日日平安』などを収録したアンソロジーや短編集。周五郎の人情小説には、ユーモアとペーソスが絶妙なバランスで同居しており、肩肘を張らずに読み進められます。
短編の名手によるエッセンスを味わうなら、夫婦の絆を描いた『柳橋物語』や、武士の意地と哀愁を描いた作品群が揃った文庫を選べば間違いありません。一話あたり30分から1時間程度で完読できる手軽さでありながら、長編小説を読み終えたかのような濃密な読書体験が得られます。