Q1:フィジカルアセスメントとフィジカルイグザミネーションの違いを一言で言うと何ですか?
A1:イグザミネーションが「問診・視診・触診・打診・聴診という手技を使って情報を集める行為」であるのに対し、アセスメントは「集めた情報から患者の病態を解剖生理学的に分析・評価し、具体的な看護やケアの判断へ繋げる一連の思考・行動プロセス」です。
Q2:なぜ腹部のアセスメントだけ、視診の次に聴診を行うのですか?
A2:腹壁を触診や打診で押したり叩いたりすると、その物理的刺激によって腸管の蠕動運動が不自然に活性化あるいは抑制され、本来の腸雑音(グル音)が変化してしまうためです。また、疼痛がある部位に触れて患者が筋性防御を起こすのを防ぐため、刺激の少ない「視診 → 聴診」を先に行い、その後に「打診 → 触診」を実施します。
Q3:呼吸音の「副雑音」を聴き分ける自信がありません。臨床で素早く鑑別するコツは?
A3:まずは「連続性」か「断続性」かに大別してください。細く「ヒューヒュー」「ピーピー」と持続して鳴る音(笛音)や低く「グーグー」唸る音(いびき音)は気管支の狭窄・分泌物による連続性ラ音です。一方、「パチパチ」「プチプチ」と途切れる音(捻髪音)や「ゴボゴボ」と気道分泌物が泡立つ音(水泡音)は断続性ラ音です。吸気時に鳴るのか呼気時に鳴るのか、さらに咳嗽(咳払い)によって音が消失・変化するかを確認することが強力な鑑別ポイントになります。
Q4:急変を察知するために、バイタルサインの中で最も重視すべき項目は何ですか?
A4:臨床統計的にも最も早期に異常が現れやすく、かつ最も見落とされやすいのが「呼吸数」です。急変患者の約7割が、急変の数時間前から呼吸数の異常(特に24回/分以上の頻呼吸、または浅表性呼吸)を呈していたという研究データが報告されています。脈拍や血圧が破綻する前に、まず呼吸数と呼吸パターンの乱れを正確にカウントすることが急変防止の要です。