主役二人を取り巻くキャラクターたちの吹き替えも、本作の完成度を極限まで高めています。第一アシスタントのエミリー(エミリー・ブラント)を演じた本田貴子さんの、ヒステリックでありながらどこか憎めない演技は絶品です。アンディへのライバル心と、仕事に対するプライドが入り混じった早口のセリフ回しは、何度見ても飽きません。
そして、アンディの良き理解者であり、ファッションの真髄を教えるナイジェル(スタンリー・トゥッチ)役の岩田安生さん。彼の温かく、時に厳しいアドバイスは、吹き替え版においてより一層の深みを持って響きます。彼らの脇を固める確かな演技力こそが、この映画の群像劇としての面白さを支えているのです。