「水色を英語で表現してください」と問われた際、大半の日本人学習者が真っ先に思い浮かべるのがlight blueです。文法・語彙として決して間違いではありませんが、これだけで全ての「水色」を網羅しようとすると、実際のコミュニケーションで齟齬が生じます。
英語圏の言語認知において、日本語の「青」と「水色」の関係性は、赤(red)とピンク(pink)のような独立した個別カテゴリーとは異なり、あくまで「青(blue)という大きな傘の中のバリエーション」として認識されます。言語学者ブレント・バーリンとポール・ケイによる基本色彩語の研究でも示されている通り、英語の基本色彩語(Basic Color Terms)における青は「blue」単体であり、その明暗や色相差は具体的な修飾語や名詞の借用によって細分化されてきました。
そのため、ネイティブスピーカーは「明るい青全般」を指す際にはlight blueを用いつつも、特定の質感や情緒を伴う場面では、空を想起させるsky blueや、澄んだ海水を想起させるaquaなど、より解像度の高い言葉を直感的に選択しています。