食パンが体脂肪増加に直結する背景には、単なるカロリー計算だけでは説明できない生化学的・食事形態的な2つの決定打が存在します。
第一の理由は、トッピングによる急激な脂質の追加です。トーストした食パンに塗る有塩バターの一般的な使用量は大さじ1弱(約10g)とされています。有塩バター10gのエネルギーは約70kcal、脂質は約8.1gです。つまり、バタートーストのカロリーは1枚で約230〜240kcalに跳ね上がり、さらにイチゴジャム(大さじ1=約20g、約50kcal)を追加すれば、それだけで約280〜290kcalに達します。
ここで多くの人が気にするのが、マーガリンとバターの脂質比較です。植物性だからヘルシーという印象を持たれがちなソフトタイプマーガリンですが、製品データを見ると10gあたりの熱量は約71kcal、脂質は約8.0gと、実質的な脂質量・カロリーはバターとほぼ同一です。国内メーカー各社の企業努力によりトランス脂肪酸の低減化は完了していますが、純粋な摂取脂質量という観点ではマーガリンであっても決して免罪符にはなりません。
第二の、そして最も見落とされている食パンで太る決定的な理由は、「GI値の高さ」と「咀嚼不足」が引き起こす急激な血糖値スパイクにあります。
精製された小麦粉から作られる食パンのGI値(食後血糖値の上昇度を示す指数)は約90〜95と極めて高く、白米の約80〜84を上回ります。さらに、パンは口当たりが柔らかく水分が少ないため、無意識のうちに牛乳やコーヒーで流し込み、ほとんど噛まずに飲み込んでしまいがちです。咀嚼回数が激減した状態で高GI食品が胃腸に流れ込むと、食後数十分で血糖値が急上昇します。
急上昇した血糖値を下げるため、膵臓からは肥満ホルモンと呼ばれるインスリンが大量に分泌され、余剰な糖が中性脂肪として急速に細胞へ蓄積されます。さらにインスリンの過剰分泌によって血糖値が急降下(反応性低血糖)するため、食後2〜3時間後には強い飢餓感や眠気、糖質への渇望が生じるという負のスパイラルに陥るのです。