東京の新宿東口や浅草、大阪の心斎橋筋商店街など、インバウンド比率の高い旗艦店に足を運ぶと、そこには国内の住宅街にある店舗とは全く異なる熱気が渦巻いています。店頭には多言語対応のフロア案内が並び、免税専用レジには長蛇の列ができています。
中華圏の大手SNS「小紅書(RED)」や「WeChat」を調査すると、「尚都樂客」に関するリアルなクチコミが数万件単位で投稿されています。
「他店に比べて医薬品や目薬の在庫が圧倒的。欠品しやすい人気アイテムも尚都樂客なら棚にギッシリ並んでいる」
「クーポンを提示すると免税に加えてさらに最大7%安くなるので、資生堂の化粧品やお土産のまとめ買いはここ一択」
こうした好意的な評価が目立つ一方で、日本人客や一部の旅行者からは混雑に対する不満の声も聞かれます。
「レジが免税手続きで塞がってしまい、風邪薬を1点買いたいだけなのに15分以上待たされた」
「店内通路にキャリーケースが溢れていて歩きづらい」
現場を視察した流通ジャーナリストは、店舗運営の課題についてこう指摘します。
「免税手続きの完全電子化が進んだとはいえ、パスポートの読み取りや購入品梱包、誓約処理には一定の時間を要します。一般レジと免税専用レジを完全に物理分離できている大型店舗ではトラブルが少ない一方、間口の狭い都市型店舗ではオペレーションの逼迫が見られます。この混雑緩和と棲み分けが、ブランド体験の質を維持するための生命線です」