資産形成の情報が氾濫する中で、20代が陥りがちな2つの危険な極論が存在します。
1つ目は、「若いうちは貯金などせず全額自己投資やすべての体験に使うべきだ」という言説の鵜呑みです。自己投資の重要性は否定できませんが、生活防衛資金がゼロの状態で突発的な体調不良やメンタルダウン、会社の倒産・急な転職に直面した場合、選択肢を失って不利な労働環境に追い込まれるリスクが高まります。最低限の現金クッションは、キャリア上の自由度を保つための防壁です。
2つ目は、新NISA制度の浸透に伴い急増している「現金貯金は損だから手取りのすべてを投資信託に突っ込むべき」という投資偏重の罠です。株式市場は常に右肩上がりではなく、数年に一度の急落局面を経験します。手元の現金が枯渇した状態で冠婚葬祭や家電の故障、引っ越しなどのまとまった出費が発生すると、元本割れした投資信託を底値で取り崩さざるを得なくなります。
資産形成の基本順序は、あくまで「生活防衛資金(生活費の3〜6カ月分)の現金確保」が土台であり、その余剰資金でインデックス投資を走らせる二刀流が鉄則です。