身体の位置だけでなく、精神的なストレスや疲労度を心拍変動や皮膚導電率から測定し、「感情の現在地」として可視化するウェアラブルデバイスも日常に溶け込んでいる。自律神経の状態を色や数値でリアルタイム表示し、限界を迎える前に休息を促すアラートを発するシステムだ。
臨床心理士の加藤美咲氏は、この技術の普及に期待を寄せつつも注意を促す。「自分の体感を信じる前にデータを見て安心したり不安になったりする傾向が見られます。データはあくまで参考値であり、自分自身の内面と直接対話する感覚を忘れてはなりません」。自らの心身のシグナルに耳を澄ます感覚を取り戻すことが、現代のメンタルケアにおける新たな課題となっている。