加瀬亮が他の日本人俳優と決定的に異なるアドバンテージ、それが一切の淀みがない英語力です。生後まもなく父親の海外赴任に伴い渡米し、約7歳まで米国ワシントン州ベルビューで暮らした帰国子女という出自を持っています。
単に日常会話ができるレベルにとどまらず、ニュアンスの機微や文化的背景を掴み取った上での英語芝居ができるため、名だたる海外映画監督が彼を指名してきました。クリント・イーストウッド監督の『硫黄島からの手紙』で元憲兵の清水役を演じて世界的な脚光を浴びると、これを皮切りに本格的な海外進出とハリウッドからのオファーが相次ぐことになります。
ガス・ヴァン・サント監督の『永遠の僕たち』、イランの世界的名匠アッバス・キアロスタミ監督の『ライク・サムワン・イン・ラブ』、韓国の鬼才ホン・サンス監督の『自由が丘で』、そしてマーティン・スコセッシ監督の遠藤周作原作映画『沈黙 -サイレンス-』など、加瀬亮のフィルモグラフィは国際映画祭の常連監督の名で埋め尽くされています。通訳を介さず監督と役の解釈を直接議論できる対話力は、国際映画市場における最大の武器です。