「僕のこと」の音域データを解剖すると、一般的な男性ボーカル曲の枠組みを遥かに超越している事実が浮き彫りになる。最低音はmid1D(レ)からスタートし、地声の最高音はhiB(シ)およびhiC#(ド#)、そして裏声・ファルセットを含めた最高音は驚愕のhihiA(ラ)に達する。実に2オクターブ半以上に及ぶ音域幅である。
AメロやBメロでは、低音域から中音域にかけて語りかけるような落ち着いたトーンで展開する。しかしサビに向かうにつれて音程は垂直立ち上がりを見せ、ハイCを超える超高音域へと一気に駆け上がる。低音の響きを保ちつつ、超高音まで破綻せずに繋ぐ声帯コントロール能力がなければ、この楽曲の旋律を維持することすら困難だ。