ところが、このドラマチックな苦闘譜には、ロックマン熟練者ほど思わず吹き出してしまう「エアーマン実は弱い真相」が隠されています。結論から言えば、エアーマンは『ロックマン2』の8大ボスの中でも、誰でも開幕直後に撃破できる屈指の「カモボス」だったのです。
なぜ実態と歌詞のイメージが正反対に乖離してしまったのか。その原因はボスの行動ルーチンにあります。
エアーマンが繰り出す竜巻攻撃は画面を広範囲に覆い尽くすため、まともに「ノーダメージで避けよう」と立ち回ると極めて難易度が高くなります。作詞者のせらみかる氏も、律儀に攻撃パターンを見極めて避けようとしたからこそ泥沼にハマっていました。しかし、実際の攻略法は極めて単純です。攻撃を避けることを完全に諦め、被弾時の無敵時間を利用しながら距離を詰め、初期装備のロックバスターを最速で連射する「ゴリ押し」を敢行すると、こちらのHPが尽きるより先にエアーマンが爆散します。
さらに皮肉なことに、エアーマンを撃破すると移動を大幅に快適化する補助アイテム「アイテム2号(ジェット)」が手に入るため、当時の攻略本や多くのプレイヤーの間では「最初に倒すべき最も簡単なボス」として推奨されていました。「倒せないと叫んでいた相手が、実は一番弱かった」という落差こそが、ネット上で大きな笑いと共感を呼んだ最大の起爆剤でした。