教育現場や大手学習コミュニティに寄せられる実際の相談や誤答データを検証すると、受験生がつまずくポイントには明確な共通項が存在します。
盲点1:「主語の判別」で起きる逆転現象
古典特有の「主語の省略」は、初冠でも最大の失点源です。特に以下の2箇所は主語を取り違えるミスが多発しています。
・「思ほえず、ふる里にいとはしたなくてありければ、心地まどひにけり」
前半の「いとはしたなくてありければ(たいそう不釣り合いに美しく暮らしていたので)」の主語は女はらから(姉妹)です。それに対して、後半の「心地まどひにけり(心が取り乱れてしまった)」の主語は男へと入れ替わります。接続助詞「ば」を挟んで主語が転換している構造を見抜けないと、現代語訳で減点対象となります。
・「ついでにおもしろきこと言ひやりつるとなむ思ひける」
「おもしろい歌を詠み送ったものだ」と自画自賛して満足している主語は、当然ながら男です。女側が喜んだと誤読してしまう受験生が少なくありません。
盲点2:「しるよしして」の品詞分解ミス
「しるよしして」を一続きの慣用表現として丸暗記していると、品詞分解を求められた際にバラバラに解体できなくなります。
正解は「しる(動詞・ラ行四段活用『知る』連体形)+よし(名詞)+し(動詞・サ変『す』連用形)+て(接続助詞)」です。「知る(領る)」が「領有する」という意味を持つ重要古語である点も含め、3つに分解できる構造を正確に記述できるように準備しておきましょう。