2000年代後半から2010年代にかけて、日本のニコニコ動画は数多くの天才的な楽曲制作者を世に送り出した。イニシャルPもまた、その熱気の中で高速テンポと哀愁を帯びたメロディラインを武器に存在感を放ち、ネット音楽史に確固たる足跡を刻んだ存在だ。一方、太平洋の反対側ではYouTubeを主戦場として、ゲームカルチャーへの深い愛とユーモアを音楽へと昇華させるムーブメントが巻き起こっていた。
一見すると別個の文化圏に属するように思えるふたつの潮流だが、根底にあるのは「自らの手でコンテンツを作り上げ、プラットフォームを通じてダイレクトにファンと繋がる」というD.I.Y.の精神だ。今回のプロジェクトは、ネットカルチャーの草創期を支えた日米の才能が、互いのルーツに敬意を払いながら必然的に出会った成果と言える。