原武史の現在と経歴を徹底解説!皇室論と団地鉄道研究の真価

原武史の現在と経歴を徹底解説!皇室論と団地鉄道研究の真価

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原氏の研究の柱の一つであり、論壇で決定的な地位を築いたのが、近代から現代に至る徹底的な皇室論です。右派による神格化や美化、左派による頭ごなしの否定という硬直したイデオロギー対立から距離を置き、日記、書簡、侍従の記録、行幸啓のルートといった膨大な一次史料を精緻に検証する手法が極めて高く評価されています。

毎日出版文化賞を受賞した『大正天皇』では、病弱で無能と片付けられがちだった君主の内面や、近代国家のシステムと一個人の人間性の激しい軋轢を丹念に救い上げました。続く『昭和天皇』においては、幼少期の養育環境から敗戦、そして戦後の「人間宣言」以降の全国巡幸に至るまで、昭和天皇がいかに自らの「身体」を用いて国民と対峙したかを解き明かしました。

『昭和天皇実録』の公刊に伴う分析や『皇后考』などの著作では、歴代皇后が果たしてきた宗教的・文化的役割にも着目。制度としての天皇制を語る論者は数多く存在しますが、宮中奥深くの空間構造や当事者たちの精神的葛藤を同氏ほど生々しく、かつ客観的に描き出した研究者は他に類を見ません。象徴天皇制の次世代への承継が問われる現在、その分析の射程の深さが改めて浮き彫りになっています。

井上 凛
著者

井上 凛

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。