なぜ企業内に窓際族が生まれてしまうのか。その根底には、日本の労働法制特有の極めて厳しい解雇規制(労働契約法第16条の解雇権濫用法理)が存在します。
欧米のように「パフォーマンスが低い」「担当部署の事業が縮小した」という理由だけで即座に整理解雇することは、日本の正社員制度下では事実上困難です。会社側が解雇を成立させるには、配置転換や教育訓練の実施など、解雇回避努力を尽くしたことを客観的に証明しなければなりません。その結果、能力不足や組織不適合と判断された社員であっても雇用を継続せざるを得ず、責任のないポジションに棚上げする選択肢が採られてきた背景があります。
窓際化する主な原因としては、以下の要素が挙げられます。
第一に、社内の権力闘争や出世レースでの敗北です。派閥争いで後ろ盾を失ったり、上層部との意見対立によって重要プロジェクトから外されるケースです。第二に、急激な技術革新やビジネスモデル転換への適応失敗です。自らの過去の成功体験に固執し、デジタルツールや新たな業務フローの習得を拒んだ結果、現場で使いどころがなくなってしまうパターンです。そして第三に、コンプライアンス違反や重大な業務ミスの隠蔽など、信用を著しく失墜させたペナルティとして実務から隔離される事例です。