80年代は、アーケードゲームの圧倒的テクノロジーが家庭用ゲームを牽引し、同時にホビーパソコンが独自の進化を遂げた、表現手法の爆発期でした。
ファミリーコンピュータ名作傑作とドット絵アクションの金字塔
80年代ファミコン名作ソフトの筆頭として世界を変えた『スーパーマリオブラザーズ』(1985年)は、横スクロールアクションの文法を完成させた歴史的傑作です。絶妙な慣性制御と、ドット絵のパーツ配置だけで「踏めば倒せる」「触れると痛い」を直感させる視覚演出は、工業デザインの奇跡とも称されます。さらに『ロックマン』シリーズや『悪魔城ドラキュラ』に代表されるドット絵名作アクションゲームは、ドット単位の緻密な当たり判定とパターン構築の妙によって、令和のインディーゲーム作家たちに今なお教科書として引用され続けています。RPGの概念を日本のお茶の間に浸透させた『ドラゴンクエスト』シリーズ(I〜IV)や『ファイナルファンタジー』シリーズもまた、この80年代の激動期に産声を上げました。
ゲームセンターを席巻したナムコ80年代名作ゲームと体感筐体
一方、コインオペレーテッドの最前線では、ナムコ(現バンダイナムコエンターテインメント)が驚異的な黄金時代を築き上げました。80年代アーケードゲーム一覧を振り返れば、『パックマン』(1980年)の世界的大ヒットを皮切りに、『ギャラガ』(1981年)、そしてスクロールシューティングの革命となった『ゼビウス』(1983年)が続きます。背景のグラデーションによる立体感の演出や、地上・空中の撃ち分けという重層的なゲーム性は、当時のプレイヤーに未来の到来を確信させました。後半にはセガが『スペースハリアー』や『アウトラン』といったムービング体感筐体を投入し、ゲームセンターは「ゲームを遊ぶ場所」から「疑似アトラクションを体験する近未来空間」へと飛躍を遂げました。
深遠なる世界観を構築した80年代PCゲーム名作
ファミコンの性能を遥かに超える高精細なグラフィックと記憶容量を誇ったのが、PC-8801シリーズやMSXなどのホビーパソコン市場です。『ザ・ブラックオニキス』(1984年)が本格的3DダンジョンRPGの礎を築き、日本ファルコムの『イース』(1987年)は「今、RPGは優しさの時代へ」のキャッチコピーとともに、洗練されたストーリーテリングと劇的な80年代ゲーム音楽サントラ(古代祐三氏らによるFM音源の至高のメロディ)で青年層の心を鷲掴みにしました。すぎやまこういち氏のクラシック調管弦楽や、近藤浩治氏のインタラクティブなBGM演出など、8ビット/FM音源の響きは現代の音楽シーンでも「チップチューン」として確固たるジャンルを確立しています。