実際に都内および近郊のベトナムスーパーを取材すると、店内の雰囲気は非常に活気にあふれています。店内に一歩足を踏み入れると、ベトナムのポップミュージック(V-POP)が流れ、店員同士が明るいトーンのベトナム語で談笑しながら商品を補充する姿が見られます。
利用者の生の声を集約すると、以下のようなリアルな体験談が浮かび上がってきます。
「最初は完全アウェーな空気感に気後れしたけれど、店員さんに『これフォーに使えますか?』とカタコトで聞いたら、片言の日本語と笑顔で一番美味しいスープの素を教えてくれた。レジ横に置かれた手作りのバインミーやチェー(伝統的デザート)が絶品で、今では週1回通う常連になっている」(30代女性・都内在住料理愛好家)
「SNSや掲示板で『ベトナム食材店 おすすめ』と調べて行ってみたら、スーパーで1パック500円近くするパクチーが、根っこ付きで大量に入って198円で売られていて衝撃を受けた。冷凍のハーブ類も揃っていて、自宅エスニックの自炊コストが半分以下になった」(20代男性・都内会社員)
現場取材で見えたもうひとつの魅力は、季節ごとのフレッシュな南国フルーツの充実ぶりです。初夏から秋にかけては、生のライチやリュウガン、青いパパイヤ、さらにはドリアンが丸ごと店頭に並びます。一般的な日本の青果店では滅多にお目にかかれない珍しい食材に触れられる体験こそが、リアル店舗ならではの醍醐味と言えます。
【プロの結論】多文化共生社会における食のフロンティア|おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
siêu thịの隆盛は、単なるエスニックブームの一過性の現象ではありません。日本社会が直面する労働力構造の変化と、それに伴う多文化共生の進展が生み出した、極めて自然で必然的な食文化のフロンティアです。かつて中華街やコリアンタウンが独自の食文化を日本に定着させたように、ベトナムスーパーは日本の食卓の選択肢を豊かに広げる新たな拠点となっています。
ただし、すべての人にとって手放しでおすすめできるわけではありません。ミスマッチを防ぐための客観的な判断基準を提示します。
【siêu thịの利用を強くおすすめできる人】
・本場現地のリアルな味付けやハーブの香りを家庭で再現したい人
・エスニック調味料やアジアン食材を圧倒的な低価格・大容量で手に入れたい自炊派
・海外旅行気分を味わいながら、未知の食材を発掘するプロセスを楽しめる探究心の強い人
【利用に際して慎重になるべき人】
・日本の大手百貨店のような行き届いた接客マニュアルや、整然とした売場環境を求める人
・重度のアレルギーがあり、原材料表示の細部まで厳密に日本語で確認できないと不安な人
・少量パックの使い切りサイズだけを求めている人(大容量パッケージが中心のため)