なぜここまで品薄が続くのか。その背景には、モントレ・ロレックス SAを率いるCEOジャン=フレデリック・デュフール氏の徹底したクオリティファーストの姿勢があります。世界的な需要爆発に対し、同社はスイス国内に新たな臨時製造拠点を新設するなど生産能力の拡張を進めていますが、安易な増産による品質低下を断固として拒んでいます。
機械式腕時計としての精度と耐久性を極限まで高める製造工程は、熟練の職人技に依存する部分が大きく、一朝一夕に供給量を倍増させることは不可能です。高級スイス時計産業全体が直面するサプライチェーンの逼迫とクラフトマンシップの維持という二律背反の中で、ブランドの価値を毀損しないための厳格なコントロールが続けられています。