市販のハンドスピナーが高性能である最大の理由は、中心部に組み込まれた「ボールベアリング」にあります。しかし、家庭工作でベアリングが手に入らない場合でも、がっかりする必要は一切ありません。よく回るハンドスピナーの仕組みを物理的に分解すると、解決すべき課題はたったの2点に集約されます。
1点目は「回転軸の摩擦抵抗をいかにゼロに近づけるか」、そして2点目は「外周にどれだけ重りを配置して慣性モーメントを高められるか」です。
ベアリングを使わずに驚異的な回転性能を引き出す裏ワザとして、工作教室の現場で定番となっているのが「竹串(または爪楊枝)とプラスチックビーズ」を組み合わせた軸受け構造です。爪楊枝の木の表面はミクロレベルで見ると凹凸が多く摩擦を生みますが、表面を紙やすりで滑らかに研磨し、ツルツルとした穴あきビーズをスペーサーとして挟み込むことで、接触面積が劇的に減少します。さらに、軸の接触部分に少量のリップクリームやベビーオイルを塗布すると、油膜によって摩擦係数が下がり、指でひと弾きしただけで軽快に回り続けます。
もう一つの決定打が、外周部へのコインやナットの仕込みです。回転する物体は、中心から遠い場所に重さがあるほど「一度回り始めたら止まりにくい」という性質(慣性モーメントの増大)を持ちます。中心を徹底的に軽く、外側を適度に重く設計することが、ハンドスピナーをベアリングなしで作る際の最大の秘訣です。