手紙の印象を決定づけるのは、便箋の文章だけではありません。ポストに投函された封筒の美しさや、開封した瞬間の所作にこそ、送り主の品性が如実に現れます。
洋封筒の宛名書き横書きにおいては、まず郵便番号枠がない場合、上部から2cmほど空けた位置に左揃えで記載します。住所は郵便番号の1行下に配置し、数字は算用数字(1、2、3)を用いるのが横書きの基本です。受取人の氏名は封筒の中央、住所よりも一回り大きな文字で堂々と書き入れ、必ず「様」や「先生」などの適切な敬称を添えます。
ここで最も間違いが多いのが、切手を貼る位置です。縦長封筒の場合は左上に貼りますが、横長封筒(洋封筒を横向きに使う場合)は「右上」に切手を貼るのが正式な郵便規則です。機械による消印処理の規格上、右上に貼られていないと郵便局での仕分けに支障をきたす原因にもなります。
封筒の裏面には、下部中央または下部右寄りに自分の郵便番号、住所、氏名をバランスよく配置します。封緘にはスティックのりや両面テープを使用し、剥がれ落ちやすいセロハンテープは避けましょう。封じ目には「〆」や「封」を記すのが一般的ですが、洋封筒の横書きであればシーリングワックス(封蝋)や上品なシールで留めるのも洗練された演出となります。
便箋の折り方と封筒への入れ方にも明確なマナーがあります。洋封筒に入れる便箋は、基本的に「二つ折り」または「三つ折り」にします。最も重要なルールは、「受取人が封筒を開けて取り出した際、手紙の書き出し(文頭)がすぐに見える向きで入れる」という点です。
- 二つ折りの場合:便箋の下半分を上に向けて折り上げます。封筒の表側(宛名面)に対して、便箋の表面(文頭側)が重なるように向きを揃えて収めます。
- 三つ折りの場合:便箋の下側1/3を上に折り上げ、続いて上側1/3を下にかぶせるように折ります。封筒の裏側から開封した際に、開け口から便箋の上辺(折り目側ではなく文頭方向)が自然に取り出せる配置にします。
東京都内の文具専門店店長は、来店客との対話を通じてこう語っています。「手紙の内容がどれほど素晴らしくても、封筒から逆さまに出てきたり、ぐしゃぐしゃに詰め込まれていたりすると、受け取った側の感動は半減してしまいます。開ける人の指の動きまで想像して折るのが、本当の手紙の思いやりです」。