フィルム特有のノスタルジックな空気感、いわゆる「エモい写真」を生み出すには、光の向きとレンズの光学特性を計算に入れたアプローチが欠かせません。
1. 最短撮影距離「1メートル」の壁を厳守する
写ルンですはパンフォーカス(広範囲にピントが合う構造)設計ですが、ピントが合う範囲は「1mから無限遠」です。料理のアップや友達の顔のドアップを撮ろうとして50cm程度まで近づくと、確実にボケてしまいます。手を伸ばして届く距離より一歩引いた「大人の歩幅で約1歩半(1m)」を常に意識してください。
2. パララックス(視差)と指かぶりを防ぐ構図術
ファインダーで見えている景色と、実際に光を取り込むレンズの位置には数センチのズレ(視差)が存在します。そのため、ファインダー越しにギリギリ中央に収めたつもりでも、現像すると少しズレて写ります。被写体はやや余裕を持たせたフレームワークを心がけましょう。
また、右手でカメラを鷲掴みにして構えると、前面のレンズの前に中指や人差し指の先端が写り込む「指かぶり」が発生します。両手の人差し指と親指でカメラの上下の縁を挟み込むようにホールドするのが確実な防ぎ方です。
3. 自撮り(セルフィー)の成功テクニック
友達との2ショット自撮りは、腕を目一杯伸ばした状態(約70〜80cm)で行うと最短撮影距離をわずかに下回り、ソフトフォーカス気味の独特なエモさが生まれます。自撮り時も必ずフラッシュをONにし、レンズが自分たちの胸〜顔の高さに向くよう角度を微調整してシャッターを切るのがコツです。