本作のドラマ性を決定づけているのが、Aimerの数々の名曲を世に送り出してきた音楽プロデューサー・飛内将大氏による作曲・編曲です。『カタオモイ』や『残響散歌』など多彩なアプローチで知られる飛内氏ですが、『After Rain』では哀愁を帯びたアコースティックな響きから、疾走感あふれるバンドサウンドへのダイナミックな展開を構築しています。
楽曲の骨格を成すコード進行には、J-POPの王道とも言える「IV→V→iii→vi(サブドミナントから始まるエモーショナルな進行)」のエッセンスが巧みに組み込まれています。Aメロ・Bメロにおける静謐なピアノと抑制されたビートが緊張感を醸し出し、サビに向けてベースラインとストリングスが一気に駆け上がる構造は、まさに雲間から太陽の光が一気に差し込む瞬間を音で見事に具現化した職人技です。
繊細さと力強さが同居するAimerの声の倍音成分を計算し尽くしたレンジ設定と、サビで一気に開放されるメロディラインの跳躍が、聴く者の感情を揺さぶり、何度聴いても飽きることのないエバーグリーンな完成度を実現しています。