過去に強い心理的ショックを受けた経験がある人は、瞑想の実践によってトラウマのフラッシュバックを起こす危険と隣り合わせです。日常の活動によって無意識に抑え込まれていた辛い記憶の防壁が、深いリラックスや感覚遮断によって崩れ去り、当時の恐怖や痛烈な感情が生々しく蘇ってしまう現象が確認されています。
また、東洋の禅の伝統において古くから知られる瞑想の「魔境(まきょう)」症状も、現代の科学的見地から再注目されています。魔境とは、過度な集中や感覚遮断によって引き起こされる以下のような知覚・精神の異常状態を指します。
・視野が歪む、光の点が見えるなどの視覚的・聴覚的幻覚
・自分の体から意識が抜け出すような離人感・解離症状
・理由のない強烈な恐怖感や被害妄想、極端な多幸感と焦燥感
これらは瞑想に伴うデメリットや副作用の一部であり、指導者のいない独学での実践や、長時間の無理な瞑想によって発生頻度が跳ね上がります。「瞑想中に不思議な体験をした」と喜ぶのは早計で、実際には脳の情報処理バランスが破綻しかけている危険信号です。