ネット上で「超完璧人間」として持て囃されるひろしですが、過度な美化には注意が必要です。原作初期や初期アニメを振り返ると、いくつかの盲点が存在します。
第一に、若くて綺麗な女性には目移りしやすく、バーのホステスや隣人の女子大生にデレデレしてはみさえに強烈な「グリグリ攻撃」を喰らうのがお約束です。パチンコで小遣いを使い果たしたり、休日に二日酔いでゴロゴロして家族サービスをサボろうとしたりする欠点もしっかり描かれています。
しかし、ネット上の「ハイスペック論争」において重要なのは、彼が無菌室の聖人君子だから称賛されているのではない点です。「弱点やだらしなさがありながらも、絶対に超えてはならない一線(浮気や家族の放置)を踏み越えず、いざという局面で命がけの覚悟を示せる」というギャップこそが、リアリティのある理想像として評価されているのです。
【プロの結論】現代社会の家族関係から見出すべき教訓
現代の家族社会学や心理学の観点から見ると、野原家の強みは「心理的安全性」と「健全な感情の表出」にあります。
ひろしとみさえは本音で激しくケンカをしますが、お互いの存在意義や人格を根本から否定することは決してありません。父親が家庭内で威張り散らすことなく、自らの失敗を素直に認め、子どもの目線に立って対話ができる柔軟性を持っています。完璧な条件だけを追い求めるのではなく、互いの欠点を補い合いながら家族というチームを運営するひろしの姿勢は、現代のパートナーシップにおける最良の教科書と言えます。