苅田山笠を全国に知らしめる最大の呼び物が、本祭のクライマックスに披露される「突き当て(つきあて)」です。地元で“喧嘩山笠”の異名を取る所以であり、境内を揺るがす地響きと激しい衝撃音は見る者の息を呑ませます。
突き当てでは、重さ数トンにも及ぶ巨大な山笠の前方に突き出た「突き棒」同士を、数百メートルの助走をつけて正面から猛スピードで激突させます。若衆たちの怒号のような掛け声、太鼓や鐘のお囃子が激しさを増すなか、山笠が宙に浮き上がるほどの衝撃でぶつかり合うシーンは圧巻のひと言です。
この激突は単なる力比べや荒事ではなく、互いの気迫と神威をぶつけ合い、厄を祓い豊作と町内安全を祈願する神聖な儀礼としての側面を持っています。激突の瞬間に観客席から上がる割れんばかりの大歓声は、苅田の秋を象徴する風物詩となっています。