検索エンジンやSNSで「習明沢」を検索すると、多数の女性の顔写真が表示されます。しかし、その多くは中国内外の著名なモデルや一般の女子学生の写真が無断転載されたものであり、公式に本物と確認されている写真はごくわずかです。
確実な公式記録として存在するのは、父親の習近平が地方幹部時代に撮影された幼少期の家族写真や、祖父である習仲勲の車椅子を押す少女時代の姿程度に限られています。成人後の鮮明なポートレートは、中国国営メディアから一切配信されていません。
この写真問題をめぐり、2019年には重大な事件が発生しました。海外サーバーを拠点とする暴露サイト「悪俗維基(オタクウィキ)」上に、習明沢の身分証番号や偽名「楚晨」名義の個人データ、顔写真が流出する事態が発生したのです。中国当局はこの情報流出に激怒し、サイト運営に関与したとされる国内の若者ら24人を次々と拘束。主犯格とされた青年に懲役14年の重刑が下されるなど、異例の苛烈な処罰が下されたことからも、彼女の容貌や身元情報が政権にとっていかにアンタッチャブルな領域であるかが浮き彫りとなりました。