強盗致死の量刑相場は?死刑・無期と有期懲役の境界線を徹底解説とは一体何なのか? 専門的な分析を丁寧に紐解いて紹介します。
最高裁判所の司法統計および法務省「犯罪白書」の蓄積データを分析すると、強盗致死罪(強盗殺人を含む第240条後段事案)で起訴された被告人に対する量刑は、明確な二層構造を描いています。検察側が無期懲役を求刑した事案において、裁判所が有期懲役を選択する「求刑割れ」の判決も少なくありません。
罪名・類型法定刑検察の求刑傾向実際の量刑相場強盗殺人(殺意あり)
被害者2名以上死刑又は無期懲役死刑(極めて確定的)死刑(無期懲役の選択は例外的)強盗殺人(殺意あり)
被害者1名死刑又は無期懲役死刑 または 無期懲役無期懲役が中心軸(計画性・残虐性が極めて高ければ死刑)強盗致死(殺意なし・主犯格)
被害者1名死刑又は無期懲役
(酌量減刑で懲役7〜30年)無期懲役 または 懲役20〜25年無期懲役 〜 懲役18〜23年の実刑強盗致死(殺意なし・従属的実行犯)
被害者1名死刑又は無期懲役
(酌量減刑で懲役7〜30年)無期懲役 または 懲役15〜20年懲役11年 〜 懲役16年の実刑(酌量減刑の適用多数)強盗致死(見張り・運搬役等)
現場外または関与希薄死刑又は無期懲役
(共犯認定・減刑適用)懲役12〜15年前後懲役8年 〜 懲役13年の実刑(単なる幇助にとどまればさらに別罪検討)
司法統計によると、裁判員裁判において強盗致死罪で有罪判決を受けた被告人のうち、無期懲役が科される割合はおよそ40〜50%、有期刑となる割合が約50%前後で拮抗しています。被害者1名の「強盗致死(殺意が認定されないケース)」に限れば、有期懲役判決の件数が無期懲役を上回る傾向が定着しています。
検察官は組織性や被害感情の峻烈さを重視して「無期懲役」を強気で求刑する場面が目立ちますが、市民感覚を反映する裁判員と職業裁判官の合議体は、殺意の有無や共犯関係の濃淡を精緻に腑分けし、「求刑:無期懲役 ➔ 判決:懲役15年〜18年」といった、減刑幅を持たせた実刑判決を導き出す傾向が顕著です。