魚焼きグリルでさんまの皮がボロボロになってしまう最大の要因は、金属製の網と魚の皮に含まれるタンパク質が熱によって結びつく「熱凝固(熱変性)」にあります。冷たい網の上に直接生の魚を置くと、温度が上昇する過程でタンパク質が金属表面の微細な凹凸に入り込み、焼き付きを起こしてしまうのです。
この現象を防ぎ、秋刀魚が網にくっつかない方法として最も有効なアプローチが「グリルの事前予熱」と「さんまに酢を塗る裏ワザ」の組み合わせです。
まず、さんまを入れる前にグリルを強火で約3分間予熱しておきます。網をあらかじめ高温にしておくことで、魚が触れた瞬間に表面のタンパク質が一気に固まり、網へ食い込む隙を与えません。さらに、焼く直前のさんまの皮全体、あるいは網の表面にキッチンペーパーで薄く「お酢(またはサラダ油)」を塗布します。酢の酸にはタンパク質を変性させて網への吸着をブロックする化学的な作用があり、加熱によって酸味は完全に揮発するため味への影響も一切ありません。