彼の演出における最大の武器は、かつて数々の名作ドキュメンタリー映画を手掛ける中で研ぎ澄まされた、圧倒的なリアリティの追求にある。徹底的なリサーチと被写体への深い洞察に基づく演出手法は、フィクションである今回の劇映画においても遺憾なく発揮されている。
現場の関係者が明かした撮影裏話によれば、過酷な環境下での手持ちカメラによる長回し撮影や、極限状態に追い込まれたキャスト陣から引き出される生の感情は、画面越しに息をのむような緊迫感をもたらしている。リアリズムとフィクションが高度に融合したその映像美は、観る者の倫理観を激しく揺さぶるだろう。