マキマが作中で見せた実力は、まさに規格外と呼ぶにふさわしいものでした。新幹線車内での銃撃戦から瞬時に生還した不可解な不死性、遠く離れた神社から標的を圧死させる遠隔殺傷、そして動物の聴覚をジャックする監視網など、読者を戦慄させた能力の数々は、彼女の悪魔としての資質と狡猾な契約によって成立しています。
彼女を事実上の無敵足らしめていた最大の要因が、内閣総理大臣との契約条件です。マキマが受けるいかなる攻撃やダメージも、「適当な日本国民の病気や事故に変換される」という理不尽極まりない条項が結ばれていました。銃弾で頭部を撃ち抜かれようと、体をバラバラに切断されようと、日本国民の命が身代わりに消費されるだけでマキマ自身は何事もなかったかのように再生します。事実、作中で彼女が殺害された回数は通算26回以上に達しますが、その都度、名もなき市民の命と引き換えに蘇生を繰り返しました。
もうひとつの凶悪な根幹能力が、「自分より程度が低いと見做した存在を完全に支配する力」です。相手の記憶を改ざんし、意のままに命令を下すだけでなく、支配下に置いた悪魔やデビルハンターの契約能力を自らの手足のように行使できました。早川アキやエンジェルをはじめとする仲間たちがマキマの冷徹なチェスの駒として消費されていく様は、読者に強い戦慄と絶望感を与えました。