テレビやイベントで圧倒的な知識と情熱を伝えるさかなクンも、メディアや著書の中でサケ科魚類の多様性とその魅力をたびたび解説している。同氏が指摘するように、私たちが一口に「サケ」と呼ぶグループの中には、生態も肉質も全く異なる多様な種が含まれている。
例えば、日本の河川に帰ってくる天然のシロザケは脂肪分が比較的控えめで、さっぱりとした上品な味わいと身の締まりが特徴だ。これに対して、養殖のアトランティックサーモンは脂質が極めて豊富で、口の中でとろけるような食感を持つ。肉質に含まれるアスタキサンチンの由来や餌の成分によって、身の発色や風味にも明らかな違いが生じる。魚類学的なルーツを知ることで、皿の上の魚が持つ本来のストーリーが見えてくるのだ。