日曜劇場を語るうえで外せないのが、元ラグビー選手という異色の経歴を持つTBSのチーフディレクター・福澤克雄氏の存在です。日曜劇場の福澤克雄演出作品に共通するのは、大地を揺るがすような重厚な音楽、極限まで寄る人物のクローズアップ、そして人間のプライドと情熱をむき出しにした熱血のドラマツルギーです。
その代表格が、町工場の職人たちがロケット打ち上げや医療機器開発に命を懸ける『下町ロケット』です。阿部寛演じる佃航平の熱いリーダーシップを中心に、吉川晃司、安田顕、立川談春ら豪華な下町ロケットのキャスト一覧を見渡せば、各界の実力派が泥臭く汗を流すリアリティが画面からあふれ出ていたことが思い出されます。
また、SFと本格医療ドラマを見事に融合させた平川雄一朗演出・村上もとか原作の『JIN-仁-』も、歴史に名を刻む名作です。大沢たかお演じる現代の脳外科医・南方仁が幕末の江戸へタイムスリップし、満足な医療器具もない中で人々を救う姿は深い感銘を呼びました。2020年のステイホーム期間中に行われた『JIN-仁-』再放送の評判はSNSで連日トレンド1位を独占。「神は乗り越えられる試練しか与えない」という名台詞は、困難な時代を生きる人々の心に深く刻まれました。