ネット上のQ&Aサイトや掲示板では、新潟の海に関して幾重もの誤解がまことしやかに囁かれている。その最たるものが「新潟の海開き時期は短く、8月を過ぎるとすぐにクラゲだらけになる」という説と、「関屋浜は中心街から近すぎて水が汚い」という極論である。現場の実態を検証すると、意外な事実が見えてくる。
まず「新潟の海開き時期」についてだが、例年7月第2土曜日から7月中旬にかけて一斉に海開きが行われ、お盆を過ぎた8月下旬(一部は8月末)まで監視員が配置されるのが通例だ。「お盆を過ぎるとアンドンクラゲが大量発生して泳げない」という言説はかつての定説だったが、近年の海水温や海流の変動により、クラゲの出現時期は年ごとに大きく前後する。現在の主要海水浴場では、遊泳区域に防護ネットを展張する対策が進んでおり、8月中旬を過ぎても安全に遊泳できる環境整備が定着している。むしろ、7月上旬の梅雨明け直後こそ海水温がまだ上がりきっておらず、快適に泳ぐなら7月下旬から8月上旬がベストタイミングとなる。
次に、新潟市街地から車でわずか10分という好立地にある「関屋浜海水浴場混雑状況」の真実だ。ネット上では「水が濁っている」「人が多すぎて落ち着かない」といった辛口なレビューも散見される。確かに、信濃川河口に比較的近く、砂質が細かいために波が立つと白濁しやすいのは事実だ。また、最盛期の土日祝日は正午前に駐車場が満車となり、周辺道路で入場待ちの渋滞が発生する。
しかし、関屋浜の本質は単なる水質比べではない。ここには新潟独自の「浜茶屋(海の家)文化」が色濃く息づいており、冷房完備の飲食スペース、本格的なラーメンやBBQ、さらには若手DJが音楽を流すイベントなど、独自のカルチャーハブとしての魅力がある。夕方16時を過ぎて日差しが和らぐ時間帯になると、市街地から仕事帰りの人々やカップルが夕涼みに訪れ、水平線に落ちる夕日を眺めながら静かに語らう。透明度を求めるなら北部の笹川流れへ、活気とアーバンなビーチカルチャーを味わうなら関屋浜へと、目的によって明確に住み分けるのが賢明なアプローチである。