地震の前後に生じる頭痛やめまいに対しては、原因に応じた適切なセルフケアを迅速に行うことで症状を大きく和らげることができます。薬箱に酔い止め薬や鎮痛薬を備えておくことも有用ですが、手元に薬がない状況でも実践できる理学的な対処法を身につけておくことが大切です。
1. 内耳の血流を改善する「くるくる耳マッサージ」
気圧や微気圧変動による頭痛・吐き気には、内耳周辺のリンパ液と血流の循環を促すマッサージが即効性を発揮します。両耳の耳たぶを軽くつまんで上下・横に5秒ずつ引っ張り、そのまま後ろ側へ5回ゆっくりと大きく回します。仕上げに耳全体を手掌で包み込み、優しく温めるように圧迫してください。
2. 自律神経を整える特効ツボの指圧
めまいや頭痛、吐き気の緩和に古くから用いられる経穴(ツボ)を刺激することも有効です。
- 内関(ないかん):手首の内側のしわから指3本分肘側に上がった、2本の筋の間。乗り物酔いや強い吐き気を抑える効果があります。
- 風池(ふうち):後頭部の首筋の生え際、僧帽筋の外側にある大きなくぼみ。頭痛や首肩の過度の緊張をほぐし、自律神経のバランスを整えます。
- 百会(ひゃくえ):頭のてっぺん、左右の耳を結んだ線と鼻からの中心線が交わる場所。過剰な興奮や不安感を鎮めます。
3. 【セルフチェック】セルフケア適応と専門医受診の判断基準
大半の地震関連頭痛は一時的な機能性のものであり、安静とケアで改善しますが、中には命に関わる病態が隠れている場合もあります。以下の基準を参考に、自身の状態を冷静に見極めてください。
- セルフケアで様子見が可能な状態:いつもの偏頭痛や肩こりに伴う重だるさ、車酔いに似たふわふわ感、休養によって徐々に軽減する頭痛。
- 直ちに医療機関を受診すべき危険な兆候:「バットで殴られたような」突発性の激痛、手足のしびれや脱力、ろれつが回らない、視野が欠ける、高熱を伴う頭痛。これらはくも膜下出血や脳血管障害の疑いがあるため、直ちに救急搬送を要します。