ワールドカップの歴史は、栄光と同時に「大波乱と悲劇」の歴史でもあります。ファンを驚嘆させてきたのが、前回王者がグループステージで姿を消す「王者呪縛」の連鎖です。
- 2002年 フランス代表:ジダンを擁する前回王者が1勝もできず無得点でグループ敗退。
- 2010年 イタリア代表・2014年 スペイン代表:連覇を狙った欧州の巨人がまさかの予選敗退。
- 2018年 ドイツ代表:精密機械と称された最強軍団が韓国に敗れ、史上初のグループ最下位敗退。
こうした波乱が起きる背景には、過密日程による主力選手の勤続疲労、研究し尽くされた戦術の打破、そして追われる立場特有の心理的プレッシャーがあります。
2022年カタール大会におけるカタールW杯アルゼンチン優勝の道程も、まさにこの波乱から始まりました。初戦でサウジアラビアに1-2で逆転負けを喫するという最大の衝撃からチームが結束。スカローニ監督による迅速なシステム修正と、若手(フリアン・アルバレスやエンソ・フェルナンデス)の大胆な抜擢、そして絶対的支柱メッシの鬼気迫るリーダーシップが噛み合い、どん底からの劇的な戴冠劇へと結実しました。「完璧なチームなど存在しない」ことこそが、W杯の持つ奥深い魔力です。