巨匠イ・ビョンフン監督のキャスティング眼は、本作でも遺憾なく発揮されました。放送から歳月が流れた2026年現在、出演者たちは韓国エンタメ界の第一線でさらなる円熟味を見せています。また、日本版の没入感を決定づけた実力派声優陣の熱演も見逃せません。
オクニョ役:チン・セヨン(少女期:チョン・ダビン)/声:坂本真綾
典獄署の茶母(タモ=下働き)から体探人(密偵)、そして外知部へと波乱の人生を歩むヒロインを、清廉な魅力とキレのあるアクションで演じ切りました。当時20代前半だったチン・セヨンは、現在30代を迎え、ロマンスからシリアスなサスペンスまで幅広くこなす実力派トップ女優としてキャリアを確立しています。少女期を演じたチョン・ダビンも子役から脱却し、主演級女優へと飛躍を遂げました。坂本真綾による凛とした気品ある吹き替えが、知性派ヒロインの説得力を極限まで高めています。
ユン・テウォン役:コ・ス/声:浪川大輔
母を捨てた父ユン・ウォニョンへの復讐心と、オクニョへの深い情愛の間で揺れる青年実業家を演じたコ・ス。彫刻のような端正な顔立ちと憂いを帯びた眼差しは「コビッド(コ・ス+ダビデ像)」と称され、大人の色気と哀愁を漂わせる名演を披露しました。2026年現在も映画・ドラマ界で圧倒的な重厚感を放ち続けています。
明宗役:ソ・ハジュン/声:東地宏樹
母の呪縛と国王としての責任に苛まれる若き君主を熱演。オクニョとの身分を超えた交流の中で見せる切ない表情が女性ファンの心を掴み、MBC演技大賞特別企画部門優秀演技賞を獲得しました。東地宏樹の低音ボイスが、王族の苦悩と威厳を完璧に補完しています。
チョン・ナンジョン役:パク・チュミ/声:渡辺美佐
従来の時代劇にありがちなヒステリックな悪女像とは一線を画し、冷徹な微笑みの裏に底知れぬ野心を秘めた「静かなる怪物」を怪演。パク・チュミの妖艶な美貌と渡辺美佐の艶やかな冷酷ボイスの融合は、視聴者に強烈なトラウマとカタルシスを植え付けました。