アメ横といえば、店頭に掲げられた色鮮やかな写真と「海鮮丼 800円〜1,200円台」という驚異的な価格設定に目を奪われる観光客も多いはずです。物価高が叫ばれる昨今において、なぜこれほどの低価格を維持できるのか、ネット上では「品質は大丈夫なのか」「安さの裏に何かあるのでは」と疑問視する意見も存在します。
取材によって見えてきたアメ横の海鮮丼が安い理由は、緻密に計算されたビジネス構造にあります。
第一に、豊洲市場や独自の輸入ルートから、規格外品や大量一括仕入れを行った冷凍魚介を高度な急速冷凍技術でロスなく管理している点です。第二に、わずか数席のカウンターと極限まで無駄を省いた店内設計により、客の平均滞在時間を15〜20分程度に抑え、通常の飲食店では考えられない高回転率(1日数十回転)で薄利多売を成立させています。高級寿司店のような生本マグロを期待する人にとってはギャップがあるものの、「手頃な価格で手軽に海鮮をかき込みたい」というニーズには極めて合理的な仕組みとなっています。