ネットパロディの最大の素材となったのが、2004年に公開された映画『ヒトラー 〜最期の12日間〜』である。劇中で主演のブルーノ・ガンツが見せた迫真の怒号シーンは、世界中で「総統閣下シリーズ」としてパロディ化された。本来は地下壕での絶望的な最期を描いたシリアスな歴史劇であるにもかかわらず、全く関係のない日常の不満を代弁させる動画へと改変されたのだ。
作品の重厚さとパロディのギャップが笑いを生む一方で、映画製作者や権利者側からは複雑な視線が向けられた時期もある。しかし、この作品の圧倒的な描写力が意図せずネット文化の金字塔となり、数多くのクリエイターに影響を与え続けたことは否定できない。