ネット上の議論では「地方はどこも投票率が高く、都会人は政治に無関心だから低い」という単純化された言説が散見されますが、これは明確な誤解です。
現実には、青森県や徳島県のように地方であっても低迷する自治体は多数存在し、東京都は知事選や衆院選の注目区において全国平均を上回る数値を叩き出す場面も増えています。投票率を左右する本質は「都市か地方か」という地理的区分ではなく、「単身世帯率」「住民基本台帳の異動実態」「投票アクセスの利便性」です。
特に都市部や大学周辺の自治体で問題となるのが、「進学や就職で引っ越した若者が住民票を移していない」ケースです。住民票が実家のままになっている有権者は、不在者投票の複雑な手続きを踏まない限り投票できず、統計上は「棄権」としてカウントされてしまいます。こうした制度的摩擦を無視して有権者のモラルだけに責任を転嫁することは、問題の本質を見誤るリスクを孕んでいます。