名古屋港ポートビルを訪れる最大の動機となるのが、最上階・7階に位置する展望室(地上53メートル)です。名古屋港管理組合および公益財団法人名古屋みなと振興財団の施設データによると、タワー全体の高さは約63メートル。数字だけを見ると東京タワーや高層ビルに比べて控えめに映るかもしれませんが、周囲に視界を遮る高層建築物が一切存在しないガーデンふ頭においては、数字以上の圧倒的な開放感と視覚的ダイナミズムを誇ります。
エレベーターを降りると広がるのは、ガラス張りの360度大パノラマ。南側には日本有数の国際貿易港として機能する名古屋港のガントリークレーン群、青い海を跨ぐ伊勢湾岸自動車道「名港トリトン(名港三大橋)」の雄姿が広がります。大型貨物船やタグボートが白波を立てて行き交う様子は、生きたインフラの鼓動そのものです。晴天に恵まれた澄んだ空気の日には、遠く鈴鹿山脈や伊吹山、御嶽山までくっきりと稜線を描き、都市と自然が融合した中部地方特有のダイナミックな景観を堪能できます。
展望室内部には各方角の景観を案内するパネルや望遠鏡が整備されており、単なる眺望鑑賞にとどまりません。歴史ある灯台のレンズ展示など港湾の歴史を伝えるモニュメントが点在し、知的好奇心を刺激する工夫が施されています。「水族館を訪れた足で何気なく登ってみたら、巨大なクレーンが動く現場の迫力に子ども以上に大人が見入ってしまった」という現場の声が象徴するように、知る人ぞ知る極上のビューポイントとして機能しています。