実際に友達をやめた経験を持つ当事者たちは、どのような経緯で決断し、どのような心理を経験しているのでしょうか。都内の大手IT企業に勤務する女性Aさん(38歳)は、高校時代からの友人グループから離脱した経験を次のように振り返ります。
「20代までは毎月のように集まり、旅行にも行っていました。ところが30代半ばを過ぎ、友人の1人がタワーマンション購入や子どもの名門小学校受験を機に、SNSでのアピールや集まりでのマウンティングをエスカレートさせたのです。『Aちゃんは独身だから気楽で羨ましいよ、毎週末自由なんでしょ?』と笑いながら言われた瞬間、張り詰めていた糸が切れました。帰り道の電車で吐き気と激しい頭痛に襲われ、大人の友達付き合いに疲れる根本的な原因を自覚しました。その後、LINEグループの通知をオフにし、個別の誘いも多忙を理由に断り続けました」
一方で、友達をやめた心理と罪悪感に長期間苦しめられたと告白する男性Bさん(42歳・金融関連)の声も切実です。
「大学時代の親友でしたが、彼が副業や投資ビジネスを始めてから、会うたびに『今の会社にしがみついていて危機感はないのか』と説教されるようになりました。最終的にはある高額セミナーへの勧誘を受け、完全にマウンティングと縁切りの境界線を越えたと感じて連絡を断ちました。しかし、20代の貧乏な時期に支え合って朝まで夢を語り合った記憶が消えるわけではありません。『もっと別の言い方があったのではないか』『恩を仇で返したのではないか』と、最初の半年間は胸が締め付けられるような自責の念が残りました」
Bさんのように、縁を切った直後は強い罪悪感に苛まれるケースが少なくありません。しかし、現場の臨床心理士やカウンセラーは口を揃えて指摘します。「関係を解消した後に感じる罪悪感は、あなたが冷淡だからではなく、相手への誠実さを保とうとしていた証拠。しかし、過去の恩義と現在の搾取は切り離して考えなければならない」と。罪悪感は時間の経過とともに薄れ、半年から1年が経過する頃には「関係を手放して本当に心が軽くなった」という解放感へと変化していきます。