送りハンドルとは、ステアリングの外周を握った両手を大きく交差させず、ハンドルの下部または上部で持ち手をスライドさせながら小刻みにステアリングを送り出す操作法を指します。日常走行で速度が乗っていない場面や、パワーステアリングの効きが良い市街地走行で無意識に多用されがちな操作です。
運転操作におけるステアリングの回し方にはいくつかの典型的なバリエーションが存在し、それぞれ人間工学的特性とリスクが大きく異なります。
代表的な誤った操作として知られる内掛けハンドル(逆手ハンドル)は、ステアリングの内側に手のひらを差し込んで内側から引き下げる操作です。この方法は手首の自由度を奪い、万が一のキックバック(路面からの衝撃によるハンドルの急回転)やエアバッグ作動時に腕に深刻な骨折を負うリスクがあります。
また、手のひらの摩擦力だけでハンドルを押し回すすりハンドルも、汗や急な段差で手が滑る危険性が極めて高い危険操作に分類されます。これらに対し、送りハンドルは外側を把持しているものの、「緊急時の最大舵角を瞬時に作れない」という致命的な弱点を抱えています。