湯煙の奥に眠る奇跡の生態系!熱川バナナワニ園の知られざる裏側

湯煙の奥に眠る奇跡の生態系!熱川バナナワニ園の知られざる裏側

話題沸騰中の 湯煙の奥に眠る奇跡の生態系!熱川バナナワニ園の知られざる裏側について、多角的な視点をご紹介しています。

ワニの迫力と対照的に、本園で静かな熱狂を生んでいるのが希少動物たちの存在だ。日本で唯一飼育展示されているアマゾンマナティーの水槽前では、誰もが言葉を失い立ち尽くす。南米の濁った河川に生息するため生息環境の再現が困難を極める種でありながら、ここでは穏やかな温泉熱プールでのびやかに泳ぎ、青草を咀嚼している。その姿は太古の神話から抜け出てきた精霊のようだ。

分園に足を伸ばせば、高山植物に囲まれた環境で愛くるしい仕草を見せるニシレッサーパンダに出会える。世界的な個体数激減に伴い、日本動物園水族館協会の血統登録に基づいた国際的な繁殖プログラムが厳密に進行中だ。気候適応が難しい彼らがなぜこの地でこれほど健康に繁殖を重ねられるのか。温泉熱を利用した除湿・換気空調の緻密な制御が、ヒマラヤの冷涼な気候を伊豆の山中に見事に再現しているからに他ならない。

高橋 健太
著者

高橋 健太

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。