Web上の一部掲示板やSNSでは「コロナ禍による赤字倒産」という短絡的な言説が見受けられますが、これは明らかな誤解です。第一に、運営元であるワタベウェディング自体は事業再生ADRの成立と興和グループの支援を受けて再建プロセスを歩んでおり、連鎖倒産のような形での幕引きではありません。
第二の盲点は、日本郵政による不動産戦略の根本的な転換です。かつて全国に展開された「メルパルク」施設は、郵政民営化以降、旧態依然とした保養所・福祉施設的な枠組みからの脱却を迫られていました。日本郵政不動産は近年、東京の「JPタワー(KITTE)」や「広島JPビルディング(旧広島東郵便局跡地)」のように、超一等地の自社保有不動産を高層オフィスや商業施設へ自前で再開発する手法へとシフトしています。
つまり、単なる需要蒸発に屈した撤退ではなく、「紙屋町の一等地を旧来型の低稼働ホテルとして維持するのではなく、次世代の都市機能へと転換するための戦略的撤退」という側面が実態に近い解釈です。