編集部では、A型・B型の現場で実際に働く利用者や元支援員への取材、当事者の手記やSNSでの発信を分析しました。現場の空気感とリアルな声をお届けします。
うつ病により一般企業を退職後、A型事業所に通う30代男性の手記には、次のような実感が綴られています。
「ブランクが2年あり、最初は週5日・1日4時間の勤務でも疲労困憊でした。しかし、最低賃金が支給されることで『自分は社会に復帰し、対価を得ている』という自尊心を取り戻せました。事業所内の一般就労移行プログラムを受け、現在は障害者雇用での転職活動を進めています」(利用者の手記より抜粋)
一方で、体調に波がある発達障害の20代女性は、B型事業所での経験についてこう語ります。
「以前無理をしてA型に入ったものの、欠勤が続いて自己嫌悪に陥り退職しました。今のB型は、週2日・午後からの短時間でも温かく迎え入れてくれます。内職作業を仲間と一緒に行う時間が、孤立を防ぐ命綱になっています」(SNSでの当事者インタビューより)
現場観察から見えてくるのは、「どちらが優れているか」ではなく「本人の現在の回復フェーズに合致しているか」がすべてを左右するという事実です。心身のエネルギーが枯渇している状態で背伸びをしてA型を選ぶと再発のリスクが高まり、逆に就労意欲が高いのに漫然とB型に留まり続けると自立へのモチベーションが失われる危険があります。