受験関係者の間でしばしば囁かれる「難関校の序列に異変が起きているのではないか」という疑問の正体は、京都公立御三家合格ラインの構造変化にあります。長年、堀川探究科を頂点として嵯峨野(こすもす科)、西京(エンタープライジング科)が追う図式でしたが、近年は各校が打ち出す教育方針と進学実績の性質が明確に分科し、単純な上下関係では語れなくなっています。
堀川高校探究科偏差値は依然として72の高水準を保ち、全国的にも知られる課題探究型学習のノウハウを蓄積しています。しかし、合格ラインの現場データを検証すると、当日の学力検査(独自作成問題)の難易度が極めて高いため、内申点が満点近くであっても数学や英語の思考力問題で失点を重ねた受験生が足元をすくわれる事例が続出しています。
一方、嵯峨野高校こすもす科倍率は前期選抜において2.5倍を超える高倍率を記録し続けています。理数系特化の「自然科学系統」と文理融合の「人文学系統」を擁し、手厚い個別指導と進学補講が保護者層から絶大な信頼を集めているためです。派手なパフォーマンスよりも着実な国公立大合格力を重視する層が集中しており、実質的な合格ボーダーラインは堀川に肉薄しています。
そして西京高校進学実績理由の核心にあるのは、付属中学校からの内部進学者(一貫生)と高校からの高入生が切磋琢磨する独自の教育土壌です。「エンタープライジング(進取の気象)」を標榜し、ディベートや海外フィールドワークをカリキュラムに組み込む同校は、総合型選抜や学校推薦型選抜でも抜群の強さを誇ります。京都大学のみならず、医学部や海外大学への現役進学率が着実に伸びている事実が、偏差値ランクの押し上げ要因となっています。