中心街を離れ、果樹園が広がる福島市郊外へと車を走らせる。木々のざわめきと鳥の声に包まれた集落に、築100年を超える梁(はり)を活かした古民家カフェが現れる。
土間を抜けると、飴色に磨かれた無垢材の床と、現代的な北欧家具が違和感なく溶け合う。大きなガラス窓の外には手入れされた日本庭園が広がり、四季折々の表情を見せてくれる。時間の流れが明らかに街中とは違う。ここでは時計を気にすること自体が無粋に思えてくる。
地元農家から直接仕入れる新鮮な野菜をふんだんに使ったランチプレートや、自家製発酵調味料を取り入れたスイーツ。土地の記憶を宿した建築の中でいただく滋味深い味わいは、日々のストレスで凝り固まった身体をじんわりとほぐしてくれる。