縄文柴犬のルーツを語る上で欠かせないのが、昭和初期に日本犬の絶滅危機に警鐘を鳴らした美術家の齋藤弘吉だ。大正末期から昭和初期にかけて、洋犬の輸入や交雑によって純粋な日本犬は絶滅の淵に立たされていた。齋藤弘吉は全国を歩き回って在来犬の調査を行い、1928年に「公益社団法人日本犬保存会」を創設。日本犬を国家の天然記念物に指定させる原動力となった。
その後、より縄文期の狩猟犬に近い古風な体型と野性を純粋に保存・復元しようとする動きが強まり、「天然記念物柴犬保存会」などの専門団体が発足。純血性の保全と過度なペット化に対するアンチテーゼとして、今日まで独自の血統が守り抜かれてきた歴史がある。