鳥栖のホームを語る上で、中央軒の存在を外すことはできない。大正2年(1913年)創業の老舗で、日本で初めて鳥めし弁当を売り出した伝説の立ち食い店だ。名物の「かしわうどん」は、ほろほろに甘辛く煮込まれた鶏肉と、柔らかめの福岡風うどん、そして澄み切った九州出汁が見事な調和をみせる。
「博多で飲んだ帰り、わざわざ途中下車してこの一杯を食べるのが最高の贅沢なんですよ」。そう笑う地元の会社員の表情はどこか誇らしげだ。タイパや効率が叫ばれる2026年の現代において、ホームの風を感じながら数分間で啜る温かい一杯は、多忙な人々の心を解きほぐす貴重なオアシスとなっている。